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目次 【時事】ニュースレオナ ダイ RSSレオナ ダイ 口コミレオナ ダイ 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース レオナ ダイ 『ダイの大冒険』第61話、アバンの過去! 年賀状プレゼントも(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <ドラゴンクエスト ダイの大冒険>オフィシャルファンブックを解説 「人」「地」「魂」の3章(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド』12月23日(木)より「真2弾」稼動スタート! - PR TIMES 【ダイの大冒険】バグ・不具合掲示板 - ダイの大冒険攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 『Vジャンプ』30秒クイズ番組放映開始 屋外デジタル看板で第1弾は『ダイの大冒険』 - 中日新聞 【名言】TVアニメの放送は2年目に突入! ますます盛り上がりを見せる『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の原作漫画より、アバンの使徒たちや魔王軍の名セリフを集めてみた! - アニメイトタイムズ 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」にまつわるアイテムを競り合う。“リアルドラゴンキラーオークション”をレポート - 4Gamer.net 【モンスト】勇者ダイの評価・適正とわくわくの実 - AppMedia(アップメディア) 【ゲーム未プレイでも楽しめる】ドラクエ漫画人気ランキング 1位はやっぱりあの作品 - PR TIMES アプリ『ダイの大冒険』レオナ(ベンガーナ王国衣装)が仲間に! - 電撃オンライン ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第58話「意外な救世主」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp 声優・久川綾 イメージと違う?「波動砲を撃ってみたい」意外な素顔(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」,新イベント“魔法使いの少年の修業”を開催 - 4Gamer.net 『ダイの大冒険』黒の核晶が大爆発!ポップやマァム、ダイの元へ急行…そこで見た光景に驚き【第56話】 - ORICON NEWS 『ダイの大冒険』輝くゴメちゃん・アバンのしるしがアクセサリーに!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」,リアルドラゴンキラーオークションが開催。本日から参加者の募集を開始 - 4Gamer.net 「ダイの大冒険 -魂の絆-」累計500万DL突破&新コンテンツ“ランクバトル”開幕 - 4Gamer.net 「ダイの大冒険」のTシャツやラージトートなど各種アパレルグッズが登場。予約受付を開始 - 4Gamer.net 中川翔子『ダイの大冒険』激ウマイラスト公開「レイアウトが抜群に上手い」プロ顔負けの技術に脱帽 - ふたまん+ 『ダイの大冒険』第52話、ダイが反抗期のよう?前野智昭&小松未可子にもツッコミ!「夫婦はお前らだろw」「ややこしい」 (2021年10月15日) - エキサイトニュース 【ダイの大冒険 魂の絆】原作ファンから見た感想レビュー|自由なキャラ育成が楽しい! – 攻略大百科 - 攻略大百科 東映アニメ、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』第52話「父子竜出陣」のあらすじ、先行場面カットを公開 | gamebiz - SocialGameInfo 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」の専用主題歌が制作決定。歌手を決めるオーディション番組が本日より放送 - 4Gamer.net ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第52話「父子竜出陣」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp ダイの大冒険-魂の絆-|セルラン推移と評価、アプリ情報まとめ - AppMedia(アップメディア) 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」,魔王軍への適性を診断するサイトがオープン - 4Gamer.net ハンブレッダーズ、2ndフルアルバム『ギター』を11月にリリース決定 新曲「名前」がTVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ED曲に | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス - http //spice.eplus.jp/ 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」アニメ声優・キャラクターまとめ | アニメ! - アニメ!アニメ!Anime Anime 『ダイの大冒険』ゴメちゃん、本物の純金に!世界に1つだけの“金のゴメちゃん”誕生(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【パズドラ】ああ、これは『最強』だ…。絶対確保必須な『レオナ』の強さ・使い道を徹底評価! - AppBank.net 『ダイの大冒険』レオナたち決戦の地・カール王国へ! バランとキルバーン辺境の洞穴で対峙 【第47話】|山形新聞 - yamagata-np.jp 【パズドラ】ゲットしないと損する『限定武器』が判明!? 今週の人気モンスターランキング! - AppBank.net 【パズドラ日記】『ダイの大冒険』を1人遅れて“35連”引く男。逆に競走馬がいないという謎の安心感。 - AppBank.net 【超熱血パズドラ部】第1111回:1111回記念日、『ダイの大冒険』コラボガチャに挑むも…… | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 『パズドラ』新フェス限“紅潜艇・シーウルフ”が登場!『ダイの大冒険』コラボキャラクター“アバンの使徒・ダイ”のステータスも公開 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 『パズドラ』×『ダイの大冒険』コラボ続報!“ダイ”、“ポップ”、“レオナ”のステータスが公開 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App <ドラゴンクエスト ダイの大冒険>「1周年記念ダイ!感謝祭」9月12日開催 6時間配信 声優陣が放送振り返る(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース レオナとブラスの評価・適正、わくわくの実をモンスト攻略班が徹底解説!【ダイの大冒険コラボ】 - AppBank.net ダイの大冒険「フレイザードこそ有能なリーダー」だと東大生が考える理由 - 日刊SPA! 【モンスト攻略】デルムリン島の少年 ダイの評価と適正クエスト/キングスライムを召喚する固有SS持ち! | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 【モンスト】ダイの大冒険コラボの星4−5キャラが強すぎる。インボリュートスフィアの威力がヤバいw【ドラゴンクエスト ダイの大冒険コラボ】 - AppBank.net 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」のサービス開始時期は2021年秋。CBTレポートも公式サイトにて公開中 - 4Gamer.net 【モンスト】新イベント『ダイの大冒険』とのコラボが7/15から開催決定!ダイ、ポップ、マァムらが参戦!【XFLAG PARK 2021】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 『ダイの大冒険』第38話、漢・ハドラーとミストバーンが熱い…!ロン・ベルクは「ウッキウキで笑う」「オタクの早口すき」 (2021年7月9日) - エキサイトニュース 令和版マァムに賛否… アニメ『ダイの大冒険』の“原作改変”を振り返る! - まいじつ 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のプルオーバーパーカーがコスパより9月中旬に発売 - 4Gamer.net 『ダイの大冒険』第38話、レオナ姫はサミットを開催! BD4巻も発売決定(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』ハドラー親衛騎団のキャスト発表 三木眞一郎、田村ゆかりら - ORICON NEWS 『ダイの大冒険』新装彩録版の表紙公開 25巻にマァム&レオナの貴重イラストも - ORICON NEWS 「ダイの大冒険」の仲間キャラクター人気ランキング! 圧倒的1位は「ポップ」(1/2) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『ダイの大冒険』マァムは劇中最強の必殺技の持ち主? 格闘家として再登場で溢れる魅力 - リアルサウンド ドラゴンクエスト ダイの大冒険:ダイが竜の騎士“最大最強”呪文ドルオーラ! 戦うレオナ、武闘家マァム コミックス新装彩録版カバー - MANTANWEB 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」のオリジナルLINEスタンプが配信開始 - 4Gamer.net 『ダイの大冒険』バランの名言に共感の声「今更生き方は変えられん。大人とはそういうものだ」 - ORICON NEWS アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』より、「竜(ドラゴン)の紋章」と「パプニカのナイフ」をモチーフにした2種類のネックレスが登場! - アニメイトタイムズ アニメ『ドラゴンクエストダイの大冒険』あらすじ - ORICON NEWS 「ダイの大冒険」の仲間キャラクターであなたが好きなのは?【人気投票】 | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド』で使用できるカード付きガムが発売!第2弾にはSR(スーパーレア)カードも参戦!! - 電撃ホビーウェブ ギガブレイクで来い!『ダイの大冒険』第29話、クロコダインに惚れる…!ヒュンケルの意外な反応には「自覚あるんかい」「色男め」 (2021年4月30日) - エキサイトニュース アニメ『ダイの大冒険』29話バランの“竜魔人化”にファン大興奮「完全に原作... - まいじつ ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第28話「ダイの秘密」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のダイ達5人をイメージした香水が発売 - 4Gamer.net 【ダイの大冒険】生まれ変わったらなりたいキャラクターTOP8! 第1位は「ポップ」に決定!【2021年最新投票結果】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 超竜軍団長バラン、ドルマゲスがシークレットレアに! 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BD4巻も発売決定(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ダイの大冒険』ハドラー親衛騎団のキャスト発表 三木眞一郎、田村ゆかりら - ORICON NEWS 『ダイの大冒険』新装彩録版の表紙公開 25巻にマァム&レオナの貴重イラストも - ORICON NEWS 「ダイの大冒険」の仲間キャラクター人気ランキング! 圧倒的1位は「ポップ」(1/2) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『ダイの大冒険』マァムは劇中最強の必殺技の持ち主? 格闘家として再登場で溢れる魅力 - リアルサウンド ドラゴンクエスト ダイの大冒険:ダイが竜の騎士“最大最強”呪文ドルオーラ! 戦うレオナ、武闘家マァム コミックス新装彩録版カバー - MANTANWEB 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」のオリジナルLINEスタンプが配信開始 - 4Gamer.net 『ダイの大冒険』バランの名言に共感の声「今更生き方は変えられん。大人とはそういうものだ」 - ORICON NEWS アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』より、「竜(ドラゴン)の紋章」と「パプニカのナイフ」をモチーフにした2種類のネックレスが登場! - アニメイトタイムズ アニメ『ドラゴンクエストダイの大冒険』あらすじ - ORICON NEWS 「ダイの大冒険」の仲間キャラクターであなたが好きなのは?【人気投票】 | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド』で使用できるカード付きガムが発売!第2弾にはSR(スーパーレア)カードも参戦!! - 電撃ホビーウェブ ギガブレイクで来い!『ダイの大冒険』第29話、クロコダインに惚れる…!ヒュンケルの意外な反応には「自覚あるんかい」「色男め」 (2021年4月30日) - エキサイトニュース アニメ『ダイの大冒険』29話バランの“竜魔人化”にファン大興奮「完全に原作... - まいじつ ドラゴンクエスト ダイの大冒険 第28話「ダイの秘密」 | TVO テレビ大阪 - tv-osaka.co.jp 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のダイ達5人をイメージした香水が発売 - 4Gamer.net 【ダイの大冒険】生まれ変わったらなりたいキャラクターTOP8! 第1位は「ポップ」に決定!【2021年最新投票結果】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 超竜軍団長バラン、ドルマゲスがシークレットレアに! 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前ページ謙虚な使い魔 第3話 「若きルイズの憂鬱」 「おいィ、月が二つあるようなんだが。」 ルイズの部屋の窓からブロントは月を見上げていた。 空には青と赤の双月が浮かんでいた。 ヴァナ・ディールでは月の光る色や位置で曜日や時間を計り、そしてその満ち欠けによって様々な事柄が影響されていると信じられていた月は野外で活動する事が多い冒険者とっては月の観測は大事な行動の一つであった。 最初はヴァナ・ディール内のどこか遠方に召喚されいたと思っていたのだが、こうして窓の外にはっきりと双月がある所を見てしまうと単純に遠方に来ただけでは無い様に思えてきた。 完全なる異世界に来たのであれば帰還の魔法『デジョン』で戻れなかった事もそれとなく納得がいった。 「平民を装うのは良いけど、いくら平民でもそこまでは馬鹿じゃないわよ。月なんていつも二つでしょ。」 エルフの最大の特徴である先住魔法も使えないというこの平民として振舞うしかない使い魔に対する扱い方を考えている途中にすっとぼけた事を言うブロントにルイズはイライラしていた。 部屋に戻る途中に出会った同級生の何人かにも平民を召喚したという事でからかわられた。 ただでさえ皆に"ゼロ"と馬鹿にされてきたのだ、せめて自分の使い魔になめられる事だけは避けたかった。 少し不思議な道具などは持っているようだが魔法も使えないエルフなど長耳が生えた程度の平民でしかない。 エルフとばれて問題が起きる可能性があるだけ、普通の平民よりも性質が悪いと言えた。 そのぶっきら棒な口を開かなければ見た目はいいので、やはりビシビシと躾けて行こうと思ったルイズであった。 「俺がいたところには月は一つしかないが?」 「何よそれ?ずっと東方からは月が一つしか見えないとでも言うの?一体どれほど東にそのジュノ大公国とかというのはあるのよ。まさか本当にロバ・アル・カイリエの方にでもいたの?」 結局今回も双方の話がどこか噛み合わずは平行線のまま進歩しなかったので、この話題は取りあえず置いておく事にした。 「俺は使い魔となったようだが何をすればいいんだ?」 「まずは使い魔は主人の目となり、耳となる能力が与えられるわ」 「ほうそれは便利だな」 「でもあんたじゃ無理みたいな、何も見えないし聞こえないもん!」 「なんだ『リんクパっル』みたいなものがあればいいのか」 と言ってブロントはかばんから一つの貝殻のようなものを取り出し、その貝の口から綺麗な真珠の様な物を取り出した。 『リンクパール』と呼ばれるそれはブロントがハルケギニアに召喚される前までその真珠を通して離れている仲間とも会話をするために使っていた物であった。 しかし召喚された瞬間から真珠からは声がぱったりと途絶えていた。 『リンクパール』は同じ『リンクシェル』から作られたもの同士でしか通信できず、本体であるリンクシェルに異常があると 築き上げた通信の輪は断たれてしまうのであった。ヴァナ・ディールにいる仲間の声が届かないのはリンクシェル自体に 何か問題がある可能性もあったのでその確認という事も含め取り出したリンクパールをルイズに渡した。 「これをもってちょっとまってろ」 といい部屋を出るブロントをキョトンとした顔でルイズを両手でリンクパールを持ったまま見つめていた。 そして数秒後― [――おいィ?聞こえるか?聞こえていたらパールにはなしかけろ――] とパールからブロントの声が発せられた。 突然語りだしたパールにビックリしてルイズは軽く飛び上がった後 「き、聞こえたわよ!?」 と大声でパールに向かって叫んだ。 [――怒鳴らなくてもいい――] とパールが答えたと同時にブロントが再び部屋に入ってきた。 「さすがに見ているもの見えないがこれでなるだろ耳」 「驚いたわ、遠くてもこれを通して会話できるの?」 「俺は細かい事まではわからないが海の向こうにいる奴とも会話できる」 ブロントはリンクシェル自体に何か問題があるわけではないと安心した反面、会話ができないほど仲間達から離れている事だと知り落胆もした。 「これ私貰っていいの?貴重なものじゃないの?」 「俺がいた所では店で売っててだれでも買えるんだが。」 ほぇーと惚けるルイズの気を惹く様に手を振ったブロントが続いた。 「他に使い魔がする事はあるのか?」 「え?ええ。えーと・・・二つ目に、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」 「秘薬?エリクサーとかか?」 「そんな凄い物じゃないわよ。特定の魔法を使うときに使用する触媒よ。硫黄とかコケとか・・・でも流石にこれはあんたには――」 王宮に衛兵としてでも黙って立っているのが相応しいこの男がつるはしをもって掘っていたり、まさかりを担いで木を切り倒したり、草刈鎌で植物を集めるわけが―― 「丁度いい。色々あちこち見ておきたかったからな。そのついでに集めておこう」 「――見つけてこれ・・・ってええっ?できちゃうの?」 「ああ、俺は依頼でよくそういう類の物を集めていた」 「依頼?」 「俺は冒険者なんだが、入手が難しい素材の入手や僻地への届け物などの仕事を良く引き受けていた」 「そ、そう。では何か必要となったら頼むわ。」 この使い魔に対する評価が今日一日で波を打って上下するので喜ぶべきなのか落胆するべきなのか困ってしまうルイズだった。 「他にはにいのか?」 「後は使い魔としてこれが一番なんだけど使い魔は主人を守る存在であるのよ!その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!」 「誰に話しかけていると思っているわけ?ナイトであるこの俺が『盾』として他の使い魔に遅れを取るはずがない」 「あんた、エルフなのに『シュヴァリエ』なの!?」 「エルヴァーンだ、そしてその『シュッばリエ』なんてものではない。だが仲間の『盾』となって守ってしまうのがナイト。」 ルイズには半分もよく理解できなかったがブロントが言うナイトとは貴族の称号として意味ではなく、一種の役割や生き方であるらしい。 確かにこのブロントは何かと戦っていた所で召喚されたと言っていた。先住魔法は使えないと言ってはいたが、 強力な防御魔法<カウンター>を持っているエルフ達を守る役割を担っていたのであれば少しは期待できるかもしれないと思った。 もっとも魔法が使えないのであれば平民の衛兵程度なのであろうとあまり期待はしていなかった。 「そ、そう、思っていたよりは色々できそうな使い魔ね。」 「それほどでもない。召喚される前に剣を落としてしまって武器がない。この盾だけでも守れなくも無いができれば剣の一つも持っておきたいのだが」 「ここは魔法学院だからそんなものは無いわね。ああ、それからアンタは私の使い魔なんだから雑用もしてもらうわよ。」 「雑用だと?」 「そうよ洗濯。洗濯。今は一応平民として振舞うんだから貴族であってあんたのご主人様である私に雑用任せるのは不自然でしょ?」 「あまりそういうのは得意ではないが仕方が無いな。」 冒険者として外出が多かったブロントは家の事は人間達にとっては珍しく友好的であった獣人のモーグリ達にまかせっきりであった。 外出中の野営の仕方や自分の身の回り事は自分の力でなんとかなったが、家の事となるとモーグリが勝手に済ませてしまうので 自分で掃除や洗濯をやった事はあまりなかった。 「じゃあそこにあるものを明日になったら洗濯しておいて」 とルイズは洋服が入った籠を指差した。 「わかったその依頼はやっておこう。」 「全然わかってないわよ、報酬をだす依頼と違ってこれは使い魔としての義務なんだから。あんたがやって当然なの」 「ほう、まあ使い魔の役割は大体わかった。それ以外の時は自由にしてていいか?なるべく周りの事を調べておきたいんだが何かあればリんクパールで伝えてくれればいい」 「そうね、あんたどうもこの辺の常識がわかっていない所があるみたいだから私が恥をかかないためにも色々知っておくといいわね。 でもこれは絶対に約束してよ、アンタが起こす恥は主人である私の恥になるんだからくれぐれもヴァリエール家の恥となる事だけはしないでよ」 「ああ誓おう。ナイトである俺がそんなへまはしない」 「ならいいわ――それにしても今日は何かとっても精神的に疲れたわ。もう寝るからちょっと着替えるの手伝いなさい」 「勝手に着替えればいいだろう?」 「あんたねえ、一応貴族の従者なんだから主人が着替える時は手伝うのもさっき言った雑用の一つなの」 いつ野獣や獣人にに襲われるか判らない野営中でも重い甲冑を素早く着替える術を持っていたブロントには態々着替えを他人に手伝わせる意味がわからなかったが「そういうものなんだろう」と思い黙った。そしてルイズが命じるままに洋服棚からネグリジェと下着を出して、 (なんだ防具的価値も無いただのお祭り装備か) とその手にもったネグリジェを鑑定してから服を脱ぎ始めたルイズを ブロントはルイズをじっとみつめた。 「ほう意外と凄いものだな」 「!!」 「思っていたよりもいい」 上半身が裸になり始めたところで突然思ってもいなかった事を口走る美形の使い魔にルイズは顔を真っ赤にして慌てた 「ば、ばば馬鹿!あんた一体主人である私を見て何考えて「いい素材を使った実に魔道士向けだなこの服」大体私のむ・・・え?」 「ただの布装備としては思ったよりある程度の耐久性はあるようだな。魔法が唱えやすそうな工夫もしてあるようだ」 「・・・そ、そうなんだこの制服・・・も、もちろんそっちのほうの話よね。・・・もう」 そうしてルイズはネグリジェ姿になり「私の胸だってそのうち・・・」とかぶつぶつ呟きながらベッドに入り始める 「俺はどこで寝ればいい?」 「あんたの寝床はそこの床、毛布ぐらいは貸してあげ「ここを使っていいんだな」」 とルイズがブロントに渡す毛布の一枚に手を伸ばし目を離した隙に「パカン!」と言う音がしてさっき寝床に使って良いと指した床の位置には ―実に寝心地よさそうな木製のベッドがあった。 「植木鉢も置いていい「まて」」 「何だ?植物は嫌い「まてまて」」 「世話は俺が「ちょっと!待ちなさいよ!」」 ルイズは自分のベッドから飛び上がり、突如現れたもう一つベッドを指差した。 「何よそれ!何よ!?」 「マホガニーベッドだが?お前知らないのか?」 ブロントは手を顎に当て首を傾げる。 「そういう事聞いてるんじゃないわよ!どっからそれ持ってきたの!?」 「かばんにはいっていたものだが?」 「一体どこの馬鹿がベッドを運んだまま歩き回るっていうの!」 「これはたまたま人に貸していたものを返して貰ってそのまま冒険にでていた事は稀によくある事」 「ないわよ!そもそもアンタのかばんにそんな大きなものが入るわけ無いでしょ!」 はビシッとブロントの腰に充ててある枕程度の大きさのかばんを指差した。 「少し入れ方を工夫すればいい。入れる順番を考えれば入る」 「そんな事で入るか!」 「何だやっぱり木製なのが嫌いか?何だったらブロンズベッドを―」 「そこ、さりげなく更に恐ろしい事言わない!確かに普通よりちょっと大きく見えるけれどそのかばんは一体どれだけはいるのよ!」 「かばんを大きくして貰った奴に『ゴウツバクリ』とかは言われたな。どれ位入っているのか中身だし―」 「それだけはやめなさい、いや、本当お願いだからやめて。何かこの部屋がとんでもない事になりそうだからやめて。」 「他にも植木鉢を一つだけ置いておきたいんだがそれぐらいはいいか?」 ルイズはハァーとため息を付いた 「・・・アンタねえ・・・その『でてしまった』ベッドと鉢植え一個だけなら特別に許すから本当にそれだけよ?言っておくけどここは私の部屋なんだから!ご主人様である私の部屋なの!」 「わかった」 とブロントはそう言ってかばんから取り出す所を見る間も無くいつの間にか手にしていた植木鉢を窓の側に置いて、そしてその鉢に土がついていた夢幻花を丁寧に植えた。 その白い薔薇のような花は窓から風が吹き込むたびに何かとても落ち着く香りが部屋中に漂わせた。 「良い香りね、その花どうしたの?」 「俺が召喚される前に採ったものなんだが鉢に変えて置かなければこれはすぐに枯れてしまう。」 「へぇーアンタ見た目によらず花の事詳しいんだ?」 「それほどでもない俺はどちかというと花は全然わからない方だ。ただこの夢幻花だけは気に入ってる。」 「そう、良い夢がみれそうな花の名前ね」 と答えた後ルイズはしばらく自分のベッドの上からしばらくその白い花を眺めていたのかだんだん睡魔が本格的になってきたのを感じて 「・・・明日・・・朝起こしてよね・・・」 と、うつらうつらとした様子でベッドに潜り込み、寝息をすぅすぅと立て始めた。 その様子をしばらく見守っていたブロントは部屋の明かりを吹き消し、自分もまたルイズに続いて自分のベッドで眠りに落ちた。 前ページ謙虚な使い魔
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前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「……はあ」 魔法学院本塔にある図書室の一角、ほどよく陽のあたるテーブルに頬杖を付いてエリスは物憂げな溜息を吐き出した。 ルイズの使い魔として負った仕事と給仕達の手伝いをあらかた終えた彼女は、ここでハルケギニアについての勉強をするのが日課だった。 本来ならここで勉強をするのは彼女一人だけではなく柊も一緒のはずだったのだが、彼は今この学院にはいない。 エリスの主人――という事になる――ルイズと共に王都トリスタニアに赴いているのだ。 しかもその用向きは買物なのだそうで、柊は勿論としてルイズも"その類"の心持ちはないのだろうが……一人取り残されたエリスとしては暗澹とした気持ちになるしかなかった。 昼を過ぎた暖かな日差しがどこか恨めしい。 エリスは手にしていたペンを中空でさまよわせると、もう一度溜息をついた。 「……何回溜息をつく気だい?」 「! あっ……ロングビル先生」 不意に声をかけられてエリスは大袈裟に肩を震わせると、声の主――ロングビルを振り返った。 彼女はエリスの言葉に軽く眉を歪めると、眼鏡を軽く押し上げて口を開いた。 「先生ってのは……まあいいか」 ロングビルは言いながらエリスの対面に座ると、テーブルに広げられている何冊かの本と紙を覗き込んだ。 「で、ちゃんと終わったのかい?」 「あ、はい。それはもう」 エリスから手渡された紙をしばし見つめた後、ロングビルは満足そうに小さな笑みを浮かべた。 「上等。あんたはヒイラギと違って優等生だね。座学だけならここの生徒に混じっても問題ないぐらいだよ」 「あはは……ありがとうございます」 柊とエリスがハルケギニアの事を学ぶにあたってまず必要になったのが、教わる教師である。 何しろこの世界の知識が皆無な上に文字を学ぶ事から始めなければならないのだ、口語で翻訳ができるにしても誰かに教わった方が遥かに効率がいい。 だが、それにもっとも適任であるルイズは学生の身分であるため時間をそうそう作ることはできなかった。 学院に務める教師達は総じて柊達には否定的――厳密に言うなら平民に教えるのが嫌なのだろう――で、好意的といっていいのはコルベールとシュヴルーズくらいのものである。 殊にコルベールは自ら協力を願い出たのだが……とある事情で柊達は彼を避けていた。 そんな訳で実質候補はシュヴルーズ一人だけとなった訳だが、一人だけに任せるのも申し訳ないし彼女も教師である以上ルイズと同様に時間を取り辛い……という事で白羽の矢がたったのがロングビルだった。 教師などしたこともない、と当初ロングビルは渋ったのだが、その次の日に何を思ったのか唐突にエリス達の教師役を引き受けたのである。 「秘書の仕事は、暇がないといえるほどに忙しい訳ではないので」とロングビルは語ったが、真の理由は別にあった。 エリス達の相手をしていれば、隙があれば(なくても)セクハラを仕掛けてくるオスマンと日がな一日同じ部屋で過ごす必要がないからだ。 「ロングビル先生って、本当に先生やったことないんですか?」 「ないよ。はっきり言って柄じゃないしね……ここの秘書ができてるのも、学院長があんなだからさ」 尋ねてきたエリスにロングビルは苦笑を漏らしながら返した。 ルーンの確認の際にバレてしまった事もあって、ロングビルはエリスといる時だけは本来の砕けた口調で話している。 柊がいる時は固い口調と取り澄ました態度であるため、彼は彼女の事を典型的な堅物教師と思っていて少し苦手のようだ。 しかしこうやって普通に喋っているロングビルを見ると、表情自体は秘書の時のそれより険が入っているが空気が柔らかくなっているのがわかる。 凛とした大人の女性、というよりは気風のいいお姉さん、といった印象だ。 エリスはなんとなく、柊の姉である柊 京子を思い出した。 「でも、なんだか慣れてる感じがしました」 「ん……字を教えたりってのは初めてって訳じゃないしね」 言ってからロングビルははっと気付き、僅かに眉根を寄せて顔を背けた。 首を傾げて見つめるエリスに、彼女は僅かに視線をさまよわせてから言葉を継ぐ。 「……。ここに来る前に世話になってた村でね、その……そういうのをやった事があるんだよ」 「村の子供達に教えてたり、とかですか?」 「まあ……そんな感じかな」 ロングビルはどことなく奥歯に物が挟まった感じで曖昧に頷き、軽く頭を掻いた。 (何やってるんだ、あたしは……) 久しぶりに素の口調で会話をしているので気が緩んでいるのだろう、どうにも迂闊な事を口走ってしまう。 そもそもが目先の厄払いでこんな役を引き受けてしまったのが迂闊の始まりなのかもしれない。 ロングビルは一つ大きく息を吐いて気を引き締めると、改めてエリスに顔を向けた。 それを勉強の再開と受け取ったエリスが僅かに身体を揺らしてかしこまる。 「もう文字は大体読めるだろうから、後は知識を広げるだけだよ。幸いここは本には事欠かないからね、好きなのを読んどきな」 「はい」 勘違いにかこつけてロングビルはエリスに読解が容易な本の区画を教えると、早々に退散しようと席を立った。 と、そこに。 「おや、ミス・ロングビルにエリスさんではありませんか」 「あ……」 教師専用の区画である『フェニアのライブラリィ』から本を抱えたコルベールが現れた。 彼はきょろきょろと辺りを見回すと、本を小脇に抱えて二人の下に歩み寄ってくる。 「ヒイラギくんはいないようですな。どうにも私は彼に避けられているようで……今は空いているので?」 「……はあ、まあ」 退出しようとしていた手前勉強中です、とは言えずロングビルは諦めたように言った。 するとコルベールは目を輝かせて、複雑な表情を浮かべているエリスに一歩詰め寄る。 「そうですか! ならばちょっとお話を伺ってもよろしいですかな?」 「うぅ……はい、私にわかる事なら……」 「ありがたい! 以前から是非とも貴女達とじっくり話し合ってみたいと思っていたのですよ! 何しろかのロバ・アル・カリイエからの来訪者ですからな!」 困っている、としか表現できない顔で渋々と答えたエリスには気にも留めず、コルベールは嬉々として二人に椅子を勧めるのだった。 柊とエリスがコルベールを避けていたのはまさにこの一点なのである。 二人に好意的であった事から見ても彼個人は悪い人物ではない、というのは理解していた。 が、彼は研究者気質があるらしく、未知の文化を持つというロバ・アル・カリイエの事に関して興味津々だったのだ。 無論そんな場所の事を知っているはずもない二人としては下手に誤魔化すわけにもいかず避け続けていたのだ。 柊はなりふり構わずあれこれと適当にはぐらかして逃げたし、エリスは自分の仕事にかこつけて距離を保ち続けた。 しかし、今回ばかりはもう逃げられそうになかった。 「何しろ彼の地はサハラを挟んでおりますゆえ、ヒトもモノもとかく流れてきませんでな。文献なども諸々あって実態が掴みづらいのです。 一体彼の地は如何なる所なのか……是非とも教えていただきたいのです」 「うぅっ……」 禿げ上がった頭をつるりと撫でてコルベールが深々と頭を垂れるが、エリスは小さく呻くことしか出来ない。 柊やルイズに助けを求めようにも彼等は今学院には居らず、唯一の味方かもしれないロングビルは諦めたように息を漏らすばかり。 出身を偽った事は自分が異世界の人間である事を隠すためなので仕方ないにしても、そこから更に嘘を重ねる事はなるべくしたくなかった。 だからこそ二人はコルベールから距離を置いていたのだが、最悪の状況で捕まってしまった。 「いやいや、難しく考える必要はないんですぞ? 何でも良いのです。どんな場所に住んでいたとか、どんなものがあったとか。 エリスさんはヒイラギくんを先輩と呼んでおりましたが、あなた方はこの学院のような場所に通っておったのですかな? 平民でも通える学校のようなものがロバ・アル・カリイエにはあるのですか?」 「そ、それは……っ」 矢継ぎ早に飛んでくる質問にエリスは追い詰められた。 下手な事を言えばボロがでて怪しまれるかもしれない。かと言って沈黙を保っていても、やはり怪しまれるだろう。 孤立無援の状況にエリスは耐えられず―― 「ご、ごめんなさいっ!」 小さく叫んでテーブルにぶつける勢いで頭を下げた。 唐突といえば唐突な謝罪にコルベールは首を傾げる。 エリスは顔を上げると、泣きそうな顔で小さく漏らした。 「私……私と柊先輩はロバ・アル・カリイエから来たんじゃないんです」 「……なんですと?」 エリスの告白にコルベールは目を丸めた。 エリスの脇でロングビルが、彼女を見つめたまま僅かに眉を寄せる。 「いや、しかし……ではあなた方は何処からこの学院に召喚されたと……?」 コルベールが怪訝そうな表情で顎に手を添える。 ロバ・アル・カリイエでないとすればハルケギニアの四国のいずれかだろうか。 だがそれなら使い魔や文字を読めないのはともかく、一般常識やメイジなどを知らないという事はありえない。 もっとも、よくよく考えれば交流が密でないとはいえ絶無でもないロバ・アル・カリイエの人間だとしてもハルケギニアの事を全く知らないというのもおかしい話なのだが。 覗き込むように見やるコルベールの視線を受けてエリスは僅かに怖気付いたが、彼女は少しの沈黙の後搾り出すように声を出した。 「……私達はファー・ジ・アースっていう所から来たんです」 「……ファー・ジ・アース?」 小さく漏らしたロングビルに、エリスはしおらしく頷く。 コルベールは首を捻ってしばし黙考すると、力なく首を左右に振った。 「そのような地名は聞いた事がありませんが……よもや貴女方はロバ・アル・カリイエをそう呼んでいるのでは?」 「違います、そうじゃなくって……」 言ってしまうか一瞬迷いはしたが、エリスは意を決して打ち明ける事にした。 紆余曲折はあったもののルイズだって信用してくれたのだ、この二人も信じてくれるかもしれない。 一縷の望みを託して、エリスはコルベールを真っ直ぐに見据えて口を開いた。 「トリステインとかガリアとかの場所の名前じゃないんです。この『ハルケギニア』とは別の世界――『ファー・ジ・アース』っていう世界から来たんです」 「べ、別の世界……!?」 コルベールとロングビルの表情が凍りつく。両者は絶句してエリスを凝視し、彼女は視線に耐えられず顔を俯けてしまった。 握り締めた自分の両手をじっと見つめたまま、エリスは二人の言葉を待った。 ……が、いつまで経っても声をかけられることはない。 彼女が恐る恐る顔を上げると、それまでの興味本位ではない真剣な表情でコルベールが口の中でぶつぶつと何事かを呟いていた。 「あ、あの……?」 おずおずとエリスが声をかけると、コルベールははたと気付いてエリスを見やった。 「別の世界……異世界。ふむ……興味深い」 「……え?」 予想しない反応にエリスは思わず呆けた声を上げてしまった。 そんな事を意にも介さず、コルベールは眼鏡をぐいと押し上げて、まるで生徒に講釈するように語り始めた。 「伝承の上ならば異世界はハルケギニアでも語られておりますな。最たるものは死後の天上世界と呼ばれるヴァルハラですが……他にも咎人の堕ちるニブルヘイム、理想郷アスガルド、妖精郷や影の国などもあります。 しかしながらハルケギニアのように人間が生活し社会を築く『現実的』な異世界というものは寡聞にして聞きません」 「えっと、あの……」 「ふむ……異世界! その発想はなかった! ですがそう考えれば確かに腑に落ちる事もあるのです!」 コルベールは力強く言いながらびしりとエリスを指差した。 思わずびくりと震える彼女を他所に彼は更にまくし立てる。 「貴女方の服装を始めとした諸々の言動、これは別の地方などといった『異境』というよりは根本的に『異質』と言ったほうがしっくりとくるのです。 なるほど、異世界ですか……我々の世界とは異なった理が支配する世界が存在すると。実に興味深い……!」 「……」 なにやら自分の世界に入り込んでしまったコルベールにエリスは何も言えなくなってしまった。 とにかく、信じてくれた……という事でいいのだろうか。 エリスは一方で黙りこくったままのロングビルに眼を向けた。 個人的にはコルベールよりも親交が深かった彼女の反応の方がある意味では気になる。 ロングビルと目が合った瞬間、何故か彼女は派手に肩を揺らした。 ロングビルは世話しなく視線を左右させると、珍しく焦った風な挙動を見せて取り繕うように言った。 「い、異世界ね……夢があっていいんじゃないかな……?」 「……?」 ルイズのように頭ごなしに全否定する訳でもなく、コルベールのように簡単に信じる訳でもない。 何とも奇妙なロングビルの反応にエリスは首を傾げてしまった。 「エリスさん!」 「は、はいっ!?」 唐突に声をかけられてエリスは反射的に席から立ち上がってしまった。 すると同じように席を立っていたコルベールがテーブル越しに身を乗り出し、爛々と輝く眼でエリスを見つめていた。 「貴女やヒイラギくんがロバ・アル・カリイエの人間でないことはわかりました。しかし異世界の住人とやらならば尚更詳しく話を伺いたい!」 「えぇっ!?」 どうやら信じてくれたのは確かだが、今度は別の方向でやぶ蛇だったようだ。 むしろより強い好奇の目線でもってエリスを捉え、テーブルに乗り上げるような勢いで詰め寄ってくる。 「ファー・ジ・アースというのはどのような世界なのですか? どんな社会や国家があってどんな生活をしているのでしょう? 魔法はあるのですか? そういえばヒイラギくんはミスタ・グラモンとの決闘の時に奇妙な光を出しておりましたが、アレはファー・ジ・アースの魔法なのですか?」 「あ、あの……っ」 興味の矛先が変わっただけで内容はまったく変わらない詰問にエリスは仰け反るように後ずさる。 そして彼女はコルベールの意気込みに耐えられず、 「……わ、私よりも柊先輩の方が詳しいですから、先輩に聞いたほうがいいと思います!」 丸投げしてしてしまった。 「ふむ、そうですか!」 コルベールは大きく頷くと、ようやく乗り出した身体を引いて席に落ち着き、夢心地に息を吐いた。 解放されたエリスも安堵の溜息をついて椅子に座りなおし、心の中で「ごめんなさい、先輩……」と謝った。 トリスタニアから帰ってきた後に柊がこうむるだろうコルベールからの質問攻めを思うと罪悪感が絶えないが、今現在の辛苦を耐え抜くことはできそうもない。 「そうだ、決闘で思い出しました。一つだけ聞いてもよろしいですかな?」 「はい?」 いくらか落ち着きを取り戻したコルベールの声にエリスは現実に引き戻され、首を傾げながら彼を見やる。 そしてエリス……と、話題についていけずどこか冷めた表情のロングビルの視線を受けながら、コルベールは言った。 「……エリスさんは、『破壊の杖』というものをご存知ですか?」 「……はい?」「!?」 謎の単語にエリスは頭に疑問符を浮かべ、ロングビルは眼を見開いてコルベールを凝視した。 「先日のヒイラギくんとミスタ・グラモンの決闘の折、学院長が『破壊の杖』がどうのと言っておられたのですよ。 なるほど確かにアレはこちらでは見られぬ奇妙な代物ですし、もしやロバ・アル・カリイエ……いや、ファー・ジ・アースでしたかな。そちらに関わりのあるものではないかと」 「……いえ、聞いたことないです」 午前中のシエスタさんからも似たような感じの質問をされたな、と思い出しながらエリスは答えた。 コルベールは残念そうに「そうですか」と呟くと、ふと何かに気付いたように視線をエリスからそらした。 つられて視線を追ってみれば、今まで全く話に加わっていなかったロングビルが興味深そうな視線を二人に向けていたのだ。 「ロングビル先生?」 「ど、どうかなさいましたか、ミス・ロングビル?」 視線の意味を勘違いしたのか、コルベールが僅かに上ずった声で尋ねるとロングビルは彼に向かって小さく微笑む。 「いえ。わたくし、マジックアイテムに少々興味がありまして……よろしければ詳しくお話を伺いたいのですわ」 いつもの『秘書』の顔に戻してロングビルがそう言うと、コルベールは年甲斐もなく頬を染めて照れくさそうに頭をかく。 「そんな事なら喜んで! ……とはいえ、なんともこう口で説明するのが難しい代物でして、奇妙としか……」 「それなら絵でも描いてみたらいかが? もしかしたらエリスさんも思い当たるかもしれませんわ。ファー……ファー・ジ・アース? では別の名前なのかもしれませんし」 「む……それはそうかもしれませんな! では失礼して……」 コルベールは何故か嬉しそうにテーブルに広げられていた書き取り用の紙を取ると、羽ペンで何やら書き始めた。 覗きこむようにロングビルが席をコルベールの隣へ移すと、彼は雷に打たれたように大きく震えて顔を赤らめる。 エリスはそんな風に顔を使い分けているロングビルを、やっぱり大人の人なんだなと半ば感心する思いで眺めやっていた。 「それにしても、『破壊の杖』などが納められているだけあって宝物庫は頑丈ですのね。外からしか見ておりませんがわたくし感心しましたわ」 「それはもう、スクエア・メイジが何人も寄り集まって徹底的に処理を施しましたからな!」 ロングビルの興味を引けて嬉しさ極まっているのか、コルベールは絵を描きながら立て板に水のごとく知識を披露し始める。 宝物庫は魔法に関しては万全だが、物理的な衝撃にはほとんど対抗策が練られていないとか。 なのでトライアングル以上のメイジが創るような強大なゴーレムならば理論的には破壊可能だとか。 いやはやこれだから魔法のことにしか眼を向けないメイジは視野が狭いのだとか、何とか。 (いいのかなぁ……) これは機密漏えいとかいう奴なのではないのだろうか。 教師同士なので問題はないのだろうが……。 口を挟めずにエリスはぼんやりと見守ることしかできなかった。 「できましたぞ。大体こんな感じですな」 ややあって絵を完成させたらしいコルベールが満足そうに息を吐き出した。 ロングビルは身を乗り出してその絵を覗き込むと、眉を潜めて首を捻った。 「これは……杖、なのですか?」 コルベールの言う通り、それは奇妙としか言いようのないものだった。 見ようによっては杖に見えない事もないだろうが、直線的な造形は『杖』と呼ぶよりも『棒』と呼んだほうが正しいような気がする。 それにやけに太い。石突だろう先端部分もそうだが、上に行くにしたがって次第に更に太くなっている。 コルベールはロングビルの反応をさもあらんと頷いて返し、学者が知識を披露する時特有の得意げな顔で口を開いた。 「形もそうですが、大きさも奇妙ですぞ。絵だけではわかりませんが、目算で2メイル以上はありますからな」 「……2メイル以上?」 大きな杖、で真っ先に思いつくのは先日の決闘の際に闖入した青髪の生徒が持っていた杖だ。 身の丈を越える大きな杖であるが、彼女が小柄なこともあるので精々は1.7~1.8メイルといった所だろう。 2メイル以上では大男が持ったとしても余りある上、この絵のような造形では取り回すのも一苦労な代物だ。 いわば鉄塊を振り回すに等しい。およそ『杖』として使えるようなものとは思えなかった。 「秘宝ゆえ詳しく検分することはできませんが、材質も奇妙なのです。おそらくは金属なのでしょうが、見た目よりも遥かに軽い! まあ大きさが大きさだけにそれなりの重さはありますが、それでも鉄や銅のそれとは比べ物になりません!」 「はあ……」 ますます訳がわからなくなってロングビルは曖昧に頷くことしかできなかった。 確かにハルケギニアでは見られないものなので、コルベールがロバ・アル・カリイエやら異世界とやらのものと疑うのも納得というものだ。 「細かい所はともかく、大方はこのような感じなのですが……どうですかな、エリスさん。これに見覚えがありますか?」 コルベールは満を持してといった風に絵をエリスに向かって差し出した。 彼女は手にとってその絵を見やり――眼を見張った。 「……え? これって……」 驚きと共に食い入るように絵を凝視する。 エリスの反応に見守っていた二人が僅かに身を乗り出したが、当のエリスはそれを気にする余裕もなくコルベールの描いた『破壊の杖』に見入っていた。 「な、なんで……」 呻くように小さく漏らす。 この絵からでは細かいディテールまでは窺えないが、全体的なフォルムは彼女の知るあるモノに似ていたのだ。 それは彼女の親友であり、仲間でもあった緋室 灯が使っていた―― ※ ※ ※ 「流石に三時間はきついわ……」 トリスタニアから学院へと戻った柊はルイズと共に彼女の部屋に赴き、買い込んでいた衣装箱の山を月衣から取り出していた。 月衣に納められた物品は大きさは問わないものの重量はそのままであり、要するに柊は衣装箱を抱えたまま三時間馬に乗っていたに等しい。 ラース=フェリアで何度か経験はあるものの乗馬になれない柊にとってはかなりの重労働だった。 「流石にクローゼットにしまうのはそっちでやってくれよな」 「わかってるわよ」 肩を回しながら柊が言うと、ルイズはしばし衣装箱の山を観察したあと、その中から箱を三つ引き出した。 「これはあんたのね。あと……この二つは月衣の方に入れといて」 「?」 乱雑に投げ渡された比較的小さめの箱を受け取りながら柊は首を捻る。 ルイズが指し示した残る二つの衣装箱は、よくよく見てみると他のものより大きめで包装も過剰だ。 何か特別なものなのだろうか。 「早くしてよ。エリスが戻ってきちゃうじゃない」 「あぁ、別にいいけど……」 訳のわからないまま柊はその二つの衣装箱を月衣に納める。 流石に二着では重さは全く大した事はなかった。 「その二つは明日使うから、そうね……昼食の後に部屋に来て」 「……明日使うんなら置いといていいんじゃねえのか?」 「いいの! ゲボクはつべこべ言わずに黙って言うとおりにしてなさい!」 「へいへい……」 嘆息交じりに答えながら柊は改めてルイズの部屋を見回した。 最初に部屋に泊まってから三日程で(決闘の褒章で)ギーシュの部屋に居候する事になったのでルイズの部屋に来るのはおおよそ一週間ぶりになる。 流石にそれぐらいで何が変わるというものでもなかったが――強いて変化を上げるなら、彼女が勉強に使っているだろう机だ。 「……なんか本が増えてねえか?」 「……!」 脇にある本棚に空きはほとんどないので、図書館あたりから持ってきたのだろう。 題名を覗き込もうとしたが、未だ習得したとは言いがたい柊の読解能力ではいまいち読み取れない。 興味本位で手を伸ばして見たが、それを遮る形でルイズが立ち塞がった。 「……わ、わたしはあんたと違って学生なんだから、勉強してて当たり前でしょ!」 そう言われると柊としては納得せざるを得ない。 柊は小さく息を吐くと、腕組みして肩を怒らせているルイズを見やった。 「勉強はいいんだけどさ……ちょっとはこっちの方も手伝ってくれよ。何しろ俺等は文字を覚えることから始めないといけないんだしさ」 「……」 ルイズはぐっと言葉を詰まらせると、柊と同じように腕を組んでそっぽを向いてしまった。 「図書館使う許可は取ってあげたじゃない。使い魔でもない平民のあんたをここに置いてあげて、情報の場を提供してるだけでも破格の扱いなのよ?」 「……」 視線を合わせようともしないで吐き捨てるルイズに柊は溜息をつき、肩を落とした。 彼女の態度はどうにも埒があかない。学院長のオスマンの前で責任をとると言い切った時の彼女とは大違いだった。 本格的に彼女からの協力は諦めた方がいいのかもしれない……とそんな事を考えていると、 「柊先輩っ!」 普段の彼女らしからぬ、乱暴な勢いでドアが開かれてエリスが駆け込んできた。 前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い
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Data 基本操作 靴 ボトルズ オンプドア チート World クルクルやまのふもと グランチルダのとりで マンボまうんてん おたからザクザクびーち クランカーのどうくつ ブクゲコぬま フローズンズンやま ゴビバレーさばく マッドナイトまんしょん サビサビみなと カッチコッチなもり BOSS コンガ ニッパー フリビッツ(黄) ミスターバイル ブーム・ボックス グランチルダ
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クロコダインとアトラス、力と力の勝負に相応しくどちらも引く様子を見せない。 互いの武器が交差し、一歩も譲らぬ展開になった。 「どけ~~~~!!!」 アトラスが思いっきり棍棒をクロコダインに叩きつける。クロコダインはそれも防ぐが、アトラスの第二撃は一息もつかない内に放たれた。 アトラスの自慢の怪力があってこそのなせる技である。この攻撃力を前にクロコダインも一瞬膝を崩す。しかし、この程度で彼が闘志を失う訳がない。 クロコダインはアトラスに近づき、グレイトアックスを振り下ろす。 「唸れ、爆炎よ!!!」 斧を振り下ろすとイオナズン級の爆炎がアトラスを包み込んだ。 「これ程の物か、このグレイトアックスならば、いける!!」 追い打ちをかける様にアトラスに攻撃を仕掛ける。 ボブルの塔にポップ達四人、ダイとエスターク、そしてバーンが侵入してから大分経ち、全員地下に進んでいた。 「しかしさっきの竜の像はなんだろうなあ。」 先程見かけた眼の無い竜の象に興味を示すポップ。 「もしかしたら眼を見つけて像に付けるんじゃねえか?」 「仮にそうだとしても像の眼などそう簡単に落ちているものではないだろう。」 ポップの言葉にラーハルトが返す。そんな事をしている内にポップ達はこれまでとは一線を隔すモンスターを見かけた。 「何だ、こんな奴等塔に呼んだ覚えはないんだがな。」 馬面のモンスターはポップ達に近づく。 「まあ、招かれざる客は殺しておくのが一番安全か・・・」 モンスター・ジャミはポップ達の”掃除”を実行に移す。 「本気で私達を殺すみたいね。鎧化!!!」 「鎧化!!!」 マァムとラーハルトが全身を鎧に包み迎撃する。 「よし、俺もやるか。」 ヒムは右腕に闘気を溜める。ポップは後方からメラゾーマ、マァムは閃華裂光拳で攻撃する。 「ふふふ、貴様等は決定的なミスを犯した!」 ポップのメラゾーマ、そして、マァムのマホイミが自分達を襲う。 「こ、これは、マホカンタ!?」 「その通り。俺の前には魔法攻撃は通用しない。例え身にまとった物でもな。」 自信に充ち溢れながらジャミが言う。 「ならば、俺だけで闘おう。」 ラーハルトが一人ジャミの前に躍り出る。 「無茶よラーハルト!!一人で行くなんて。」 マァムも止めようとしたがポップに止められた。 「呪文が効かない上にお前やヒムの技は発動までに時間がかかる。だからあいつは一人で闘おうとしてるんだ。」 「下手に不意を突かれて共倒れでもしたら厄介だか・・・」 ヒムが喋りきる前にジャミがバギクロスを唱えた。 「おっと、こういうことだ。もたもたしてたら足手まといになっちまうぜ?」 不本意ながらもポップ、マァム、ヒムはこの場をラーハルトに任せた。 「ふん、一人だけで闘わせるとは、余裕があるのか、馬鹿なのか?」 「さあな、その内知ることになるだろう。」 その一部始終を見ていた者がいた。 「ふん、まさかジャミがこの塔にいるとはな…ミルドラースめ、とうとう沈黙を破ったか。」 バーンは言動とは裏腹に顔が微笑んでいた。 「地上爆破前の面白い余興になってきたな。」 バーンは二人の闘いの結末を見通した様に笑った。 三人が三ヶ所に別れた分岐点まで歩いた所でヒムが提案する。 「おい、たまには別々で散策しねえか?ラーハルトは今向こうで交戦中だし、一方向を三人で進むよりは有意義だろう?」 「確かにそれもいいかもしれないけど、危険すぎるわよ。」 「危なくなったら引き返すこともできるし、大丈夫じゃないか?」 等の意見も出た結果、別行動を取ることになり、一時間後に落ち合うということで話がまとまった。 「もう、ポップも勝手な発言しちゃって、後で泣きついたって助けてやらないんだから!!」 歩きながらマァムが文句を言いふらす。一方でヒムは将来ポップは尻に敷かれるな…等と思いながら歩いて行った。 ダイとエスタークは竜の像を見ていた。 『なんだろう、何かこの像から気配を感じる。竜の神殿に行った時みたいだ。』 「おい、何してるんだ?行こう!」 大分落ち着いてきたのか、エスタークもダイと行動を共にしながら移動していた。 「おい、あそこに階段がある!」 エスタークは地下への階段を見つけると、急加速した。 「あ、待てって・・・」 エスタークが階段を下りた先には見知った者がいた。 「ゴンズ!!」 「やっぱりここに来やがったな。正直他の奴が来た時はどうしようかと思ったぜ。」 エスタークはゴンズに斬りかかった。一足遅れでダイも相見える。 「エスターク!!」 流石のダイも二人が闘い始めていることには驚いた。 「ダイ、手を出さないでくれ、これは俺のけじめなんだ!!」 一度は剣に手を掛けたダイだが手を下げた。傷が癒えなくても共に刃を向けた自分が手を貸してもらう事など彼の誇りが許さない。 ダイは心残りを隠しながらも、エスタークの闘いを見続ける。 「すぐに助けを呼ぶことになるぞ。グハハハハ!!」 覇王の剣を巨大な斧で受け止めながらゴンズは笑っていた。 「こんな所にまだ下りる所があったのかよ。」 ヒムは偶然見つけた下り階段を下りていく。その先には一人の魔道士が立っていた。 「おやおや、ここにたどり着く者はダイかエスタークと思っていたのですがね。おほほほほ。」 魔道士ゲマは嘲笑う。ゲマの言葉にヒムが反応した。 「まさかここにダイがいるのか!!!?」 唐突なダイの名前にヒムも驚く。 「私の立てた計画をゴンズが成功しているのならばダイもここにいるでしょうね。しかし、見た所勇者に味方をする魔物の様ですが…おほほほほ。」 ゲマの人を見下した笑い方にヒムがキレた。 「その笑い方をやめねえと、首の骨をへし折るぜ。」 「貴様~叩き潰すぞ~。」 優勢だったクロコダインも体力の差で次第に追い詰められていく。 『く、ここまでか。…いや、ここで諦める訳には…」 その時頭上から巨大な棍棒がクロコダインの頭部に激突した。 あまりのダメージに思考さえ飛び、遠のいていく。その時ピンチを救ったのは友の言葉だった。 「諦めるなクロコダイン!!新たなグレイトアックスに誓って、勝つはずではなかったのか!!! 例え、草の根に噛り付いてでも、諦めるな。諦めない限り、必ず勝利の兆しは見えてくる!!!!」 友、ヒュンケルの言葉がクロコダインの脳裏に焼き付いて離れなかった。 「そうだ、この武器を造ったロンベルク殿もノヴァも…俺の敗北を望むはずがない。 それに・・・・ヒュンケルは……傷ついた体を押して、俺を励ましたのだ・・・・・・尚のこと、負けるわけにはいかん!!!!」 不屈の闘志でクロコダインが立ち上がった。 『お前を奮い立たせた言葉がアバン殿の言葉ならば、俺を奮い立たせた言葉は、 ヒュンケル、友の言葉だ!!!!』
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autolink ZM/W03-064 カード名:セーラー服のルイズ カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:3000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《虚無》? な…なによ? わざわざ着てあげたんだから レアリティ:C illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 ・関連ページ 「ルイズ」?
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「BLAME!」より霧亥を召喚 BLAME!の霧亥がルイズに召喚されたら? log_01 BLAME!の霧亥がルイズに召喚されたら? log_02 BLAME!の霧亥がルイズに召喚されたら? log_03 BLAME!の霧亥がルイズに召喚されたら? log_04 BLAME!の霧亥がルイズに召喚されたら? log_05 BLAME!の霧亥がルイズに召喚されたら? log_06 BLAME! 用語解説
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前ページ次ページルイズと無重力巫女さん トリステイン魔法学院で行われたフリッグの舞踏会から約一週間が過ぎた。 勉強もこれからだという時期なのに魔法学院の生徒達はあの時が忘れられず、この教室でも何人かがそのときの思い出を話していた。 ある者は恋人が出来たとか、とても美味しい酒やご馳走を楽しめた等々色々だった。 そんなホンワカとした雰囲気の中、ただ一人ルイズだけが何かを考えているような表情でイスに座っていた。 フリッグの舞踏会があったその日からルイズの頭の中には学院長のある言葉が残っていた。 それは春の使い魔召喚の儀式で喚んでしまい、今では使い魔ではなく居候と化している霊夢へ放たれた言葉であった。 ――――君に記されていたというルーンはこの神の左手と言われた『ガンダールヴ』のルーンじゃ。 ―――そう…『虚無』の使い魔であり、ありとあらゆる武器を使いこなす伝説のガンダールヴ!! 学院長はハッキリとそう言った。ガンダールヴなら私でも知っている。 大昔にかの始祖ブリミルと共に東にある『聖地』へ赴いたという始祖の使い魔の内一人。 ありとあらゆる武器と兵器を使いこなしブリミルの盾となった。 そしてそのルーンが、霊夢についている『筈』らしいが… ―――馬鹿言わないでよ!それにアンタの左手にルーンが刻まれてるでしょ?それが使い魔の証拠… ―――そんなの何処にも無いけど? ――…え?嘘、なんで!? 最初に自室へ連れて行ったときにはちゃんとキスしたはずなのにルーンが左手の甲から消え失せていた。 だからそのときにきっとガンダールヴのルーンとやらも消えてしまったのだろう。 ミスタ・コルベールはそのルーンをスケッチしたそうだが…今となってはもう関係ない。 (というよりも…私が伝説の『虚無』の担い手のわけがないし…。) そう、ガンダールヴを召喚できるのは『虚無』の系統を操れる者と言われている。 『虚無』事態は既に歴史の彼方に消え去り、本当にあったのかさえ良くわからない。 ルイズがそんな事を考えていると、一人の教師が突然ドアを開けて入ってきた。 と同時に、今まで喋っていた生徒達も黙ってしまい全員緊張した顔で教壇に注目する。 入ってきた教師はミスター・ギトー。 黒い長髪に漆黒のマントと、いかにも絵本で悪役として出てきそうな姿をしている。 体に纏っている雰囲気は冷たく、生徒達どころか給士や衛士、教師達からもあまり人気が無い。 現にルイズ達の学年を初めて見たときにも「今年は不作だな。」と馬鹿にしていた。 ギトーは教壇に立つとゴホンと咳払いをし、生徒達を見回す。 そして一通り確認し終えると、満足そうに頷き口を開いた。 「…では授業を始める。皆が知っての通り、私の二つ名は『疾風』。疾風のギトーだ。」 ギトーは軽く自己紹介をすると、怠そうな顔で教壇の方を見つめているキュルケへと視線を向けた。 教師の視線に気づいたキュルケはハッとした顔になると先程の態度を誤魔化すかのように軽く咳払いをする。 「ふむ…突然だがミス・ツェルプストー。この世で最も最強の系統を君は知ってるかね?」 「え?」 突然の質問に、一瞬だけ言葉に詰まってしまったがすぐにいつもの得意げな顔になるとキュルケはその質問に答えた。 「簡単ですわミスター・ギトー。伝説と豪語されている『虚無』とやらじゃないんでしょうか?」 いつものように小馬鹿にした感じでキュルケはそう言ったが、ギトーはそれを首を横に振って否定した。 「君はいつからミスタ・コルベールの様な学者になったのだ?私は現実的な答えを求めているのだよ。」 馬鹿にするつもりが、逆に馬鹿にされてしまったキュルケは少しだけカチンときた。 「それはすいません…なら答えは『火』ですわ。全てを燃やし尽くせる威力とその情熱は如何なる存在にも匹敵します。」 『微熱』の二つ名を持つ彼女らしい答えに、ギトーは唸ったが…すぐに口を開いた。 「確かに、『威力』だけを考えればあながち間違ってはいないが。残念ながらそれは違う。」 ギトーはそう言うと腰に差していた杖を勢いよく引き抜き、キュルケの方へ顔を向けた。 「試しに、この私に『火』の魔法で攻撃してみたまえ。」 その思いがけない言葉に、キュルケどころか他の生徒達もギョッとした。 「どうしたミス・ツェルプストー?君は『火』系統が得意では?」 もはや挑発ともとれるその言葉に、キュルケが黙っていられるはずが無かった。 「火傷どころか、退職騒ぎになるような状態になっても知りませんわよ?」 キュルケはそう言うと胸の谷間から杖を引き抜き、ギトーの方へと向ける。 しかしギトーはそれには動じず、鼻で笑うと更に言葉を続けた。 「面白い、今まで私に挑んできた『火』系統の生徒達も君と同じようなことを言っていた。」 それを聞いたキュルケは目を細め、いつもの小馬鹿にしたような笑みを消し詠唱を開始した。 ある程度詠唱をすると杖を軽く振った。すると目の前に差し出していた右手の上に小さな火の玉が現れた。 次いで更に詠唱をしていくとそれに伴い火の玉も大きくなっていき直径1メイルほどの大きさとなった。 他の生徒達はそれを見て慌てて机の下へと隠れた。 あの大きさともなると爆発したときの範囲はルイズの失敗魔法並である。 キュルケは深く深呼吸をすると右手首を回転させ、胸元にひきよせると思いっきり火の玉を押し出した。 唸りを上げて飛んでくるソレをギトーは避ける動作すら見せず杖の先を火の玉に向けると剣を振るようにして薙ぎ払う。 直後、烈風が舞い上がり火の玉がかき消えた。と同時にギトーは疾風の如くキュルケの元へと駆け寄る。 キュルケが気づいたときには既に遅く、ギトーの足払いにより体勢を崩し、そのまま地面へと仰向けに倒れた。 ギトーは杖を戻し、軽く呼吸をすると頭だけを出して様子を見ていた生徒達の方へと体を向けた。 そして舞台の上に立った大役者のようにおおげさに腕を上げ、何か言おうと口を開こうとした時―――― 「 あ や や や や ! 失礼いたしますぞ!」 突然ミスター・コルベールがもの凄い勢いでドアを開けて教室に入ってきた。 その体に纏っているローブにはレースの飾りや刺繍が躍っており、頭には馬鹿でかいカツラをのっけていた。 コルベールは早足で教壇の所にまで来ると軽く咳払いをし、辺りを見回した。 突然の乱入者に活躍の場を奪われ唖然としていたギトーはハッとした顔になるとコルベールへと詰め寄った。 「どういうおつもりですかミスタ・コルベール?今は授業中です。」 詰め寄ってきたギトーに対しコルベールは陽気な口調で返事をした。 「おぉミスター・ギトー!すいませんが今日の授業は全て中止ですぞ!」 コルベールの口から放たれた言葉は周りの生徒達にも伝わり、ざわ…ざわ…と辺りが少しだけ騒がしくなる。 それから数秒おいてからコルベールはウンウンと頷くと怪訝な顔をしているギトーを放って説明をし始めた。 「えー皆さんに嬉しいお知らせがありますよ。」 もったいぶった調子でそう言うとエッヘンとのけぞった、しかしその拍子に頭からカツラが取れてしまった。 「なんと今日はトリステインの花であるアンリエッタ姫殿下がこの魔法学院の視察に――」 だがそれに気づいていないのかコルベールは両腕を振り上げながら説明を続けた。 それを見て今までざわついていた生徒達の間からクスクスと小さな笑い声が聞こえてきた。 やがてそれは他の生徒達へと伝わり、大きな笑い声となっていく。 「―その為今日は各自歓迎のための準備…え?ホアァ!?」 笑い声に気づいたコルベールはふと足下を見てみると自分が頭に乗せていたカツラがあるのに気が付いた。 思いの他驚いているコルベールへ向けて、タバサがポツリとこう呟いた。 「――滑りやすい。」 その瞬間、タバサの顔に咄嗟にコルベールが投げたカツラが直撃した。 場所は変わり、トリステイン国内のとある山奥。 太陽が出ているのに空を覆うように生えた大木の所為で森全体がとても薄暗く、不気味な雰囲気を出している。 こういう場所は狼や野犬、そしてある程度の知能を持った恐ろしい人外にとっては快適な場所なのだ。 そんな危険な場所を大きな篭を持った女の子が自分の腰ほどの高さもある雑草だらけの山道を歩いていた。 この地方を管轄している領主もこんな山奥に道を作ろうとはしないので荒れ放題である。 篭には少女の好物である蛙苺と呼ばれる野苺が沢山入っていた。 家を出るとき、両親からは森の奥には入ってはいけないときつく言われていたが、以前に内緒でココヘ来たことがあったので気にしなかった。 …村の近くに生えているのは酸っぱかったが、きっとこの山奥に生えているコレはおいしいに違いない。 少女はそんな事を思いながら自分の家がある村を目指し歩いていた。 その姿を、草むらで身を隠しじっくり観察している人外達がいる。『オーク鬼』である。 オーク鬼の姿は二本足で立っている豚―――という例えがピッタリと当てはまっている。 でっぷりと太った大きな体には狼や鹿から剥いだ皮を纏っていて、首には荒縄で人の頭骨で作った首飾りを下げていた。 身の丈は2メイル、体重は人間の優に5倍とかなり厳つく、手には大きな棍棒を握りしめている。 このオーク鬼達は自分たちの巣へ帰ろうと、ふと人間の匂いがしたため近づいてみたら丁度良い餌が目に入ったのだ。 主に鹿、兎などの草食動物や人間すら食べるオーク鬼達は、小さな子供が大好物という困った嗜好を持っている。 オーク鬼達は全部4匹おりその内一匹がフゴフゴ…と鼻を鳴らすと後ろにいた残りの3匹は頷き、ゆっくりと草むらをかき分け、少女に接近し始めた。 流石は厳しい大自然で生きる者達、一匹たりと音を出す者はおらず気配を殺し、獲物へと近づく。 篭を両手で持っている少女はそれに気づかず、鼻歌を口ずさみ始めた。 今頃彼女の頭には家で美味しい美味しい蛙苺を食べている自分姿を思い浮かべているに違いない。 オーク鬼達は尚もゆっくりと近づき、後2メイルという所にまで差し掛かった直後――― ―――― ボ ン ッ ! 突如空からもの凄い速度で飛んできた「紙」が草むらに隠れていた一匹のオーク鬼の体に直撃し、爆ぜた。 少女は足を止めてキョトンとした顔になり後ろから聞こえてきた爆発音に何事かと後ろを振り返った。 「キャアッ!お、オーク鬼!!」 今まで気づかず自分の後ろにいた恐るべき人食い鬼がいたことに悲鳴を上げた。 攻撃を受け、地面に突っ伏しているオーク鬼の頭は見事真っ黒に焦げており、ピクリとも動かない。 少女はそのオーク鬼が死んでいることに気づかず早くここから逃げなければと思い、篭をその場に投げ捨てると脱兎の如く村の方へと逃げていった。 そんな少女を逃がすまいと一匹のオーク鬼が立ち上がる。 「プギィ!……ギャッ!?」 しかしその直後、今度は空から飛んできた一本の針が立ち上がった絵オーク鬼の右目を刺した。 オーク鬼は甲高い悲鳴を上げながらもその針を抜こうとするが、あの紙が目をやられたオーク鬼に目がけて飛んでくる。 ただ今度は照準が狂ったのか、それは直撃はせず地面に当たり、直後爆発を起す。 爆発の衝撃で近くにいたそいつは吹き飛ばされ、そのまま道の外れにできた急斜面を転がり落ちていった。 残り2匹となったオーク鬼達は素早く立ち上がると目標を上空にいると思われる敵に視線を向けた。 直後、空から一人の少女がオーク鬼達目がけて飛んできた。オーク鬼達は怒りの叫び声を上げて棍棒を振り上げ迎え撃とうとする。 少女は地面まで後5メイルというところで、両手に持っていた紙を勢いよく二匹に投げつけた。 投げつけられた紙は地上にいた残り二匹へと飛んでいってその内一匹だけ直撃し、そのオーク鬼もまた最初の奴と同じく黒こげとなった。 最後の一匹はその紙を運良く棍棒で薙ぎ払う事に成功した。 代わりに棍棒が爆砕したが接近戦で人間に負けたことがない彼にとっては何の問題にもならない。 オーク鬼は綺麗に着地した少女に駆け寄ろうとしたが、直後に少女は左手に持っている「杖」をオーク鬼へと向けた。 今更杖を抜いても詠唱する暇など無い。メイジとも何度も戦闘経験がある彼はそんな事を思いその大きな拳を振り上げた。 「―――夢想封印。」 少女がポツリと呟いた瞬間、目の前にあの紙が大量に現れ、 オーク鬼は自慢の拳で攻撃することも出来ずその紙の弾幕によって削り殺される事となった。 「ふぅ…こんな所かしらね。」 オーク鬼を倒した少女、霊夢は一人そう呟いた。 「それにしても、何処にでもこんなのはいるものね…ホント、イヤになるわ。」 霊夢はそう言うと黒こげになったオーク鬼の死体を一瞥する。 暇つぶしにと空中を散歩をしていた彼女は豚によく似た妖怪が棍棒持って今にも人を襲おうとしていたので退治した。 勿論オーク鬼達は妖怪という分類には入らないかも知れないが、霊夢から見ればこういう連中は全て妖怪に当てはまる。 それにこれが初めてということもなく、以前にも外へ出たときに何度か遭遇し撃退している。 ある時はこの様に襲われそうになっている人を助けたり、森の中で休んでいる時などには野犬なんかが襲いかかってきた。 野犬や狼等動物の類は軽傷程度の攻撃で済ましているが、こういうオーク鬼のような人外は完膚無きまでに叩きのめしている。 とりあえず散歩に戻ろうと霊夢は踵を返し空へ飛び上がろうとしたとき、ふと何かが目に入った。 それは先程襲われそうになった少女が持っていた蛙苺の入った篭だった。 食欲をそそる赤色の小さめのソレが篭から零れるほど入っていた。 「篭…の中に入ってるのは苺かしら?」 霊夢は篭の中から外へこぼれ出ている蛙苺を1個を手に取るとパクッと口の中に入れ… 「……酸っぱい。」 途端、言いようの無い酸味が口の中いっぱいに広り、顔を顰めた。 どうやらまだ熟していなかったらしい。 クウゥ~~… しかも食べ物を口に入れたせいか小腹まで空いてきた。 可愛く鳴る腹の音に霊夢はやれやれ、と肩を竦めた。 ――再び場所はトリステイン魔法学院へと変わる。 その学院の正門の周りでは学院中の生徒達が整列していた。 この時間帯は皆授業中だというのに誰一人それをとがめる者はいない。 どうして生徒や教師達がこんな事をしているのか――答えは今正門をくぐって学院に入ってきた馬車にあった。 無垢なる乙女しか乗せないと呼ばれるユニコーンにひかれた馬車が入ってきた途端、生徒達は手に持っていた杖を一斉に掲げた。 小気味の良い杖の音を出しながら皆が皆その馬車に尊敬と憧れの念が混じった瞳で見つめている。 馬車はオスマンが佇んでいる本塔の玄関先の近くで止まると召使い達が素早くじゅうたんを敷き詰めた。 傍にいた衛士は大きく息を吸うと、大声でこう言った。 「トリステイン王国王女!アンリエッタ姫殿下のおなーりー!!」 その言葉を待っていたかのように馬車の扉が開き中から誰かが姿を現した。 しかし――生徒達はその「王女」という言葉に似つかわしくない姿を見てポカンとする。 それは坊主が被るような丸い帽子をかぶり、灰色のローブに身を包んだ年老いた男だった。 髪もひげに既に白く、指は鳥の骨にそっくりであった。その男はマザリーニ、という名前を持っている。 彼はまだ四十代であるが、枢機卿としての長い長い激務や他人を蹴落とし合う国の政事が彼をこの様な姿にした。 その様なエピソードを持つマザリーニに対し、生徒達の内何人かが馬鹿にするように鼻で笑う。 平民の血が混じっているという噂があり、その為貴族は愚か平民達にすら支持されていないのである。 マザリーニの登場により、辺りは気まずい雰囲気になったが…馬車の中から今度は綺麗なドレスを身に纏った少女が出てきた。 年は17。すらりとした顔立ちと薄いブルーの瞳と高い鼻が目を引く美少女であった。 その姿を見た生徒達はその場の雰囲気を一気に変え、辺りを完成を包む。 少女は軽く微笑むと生徒達に向かって小さく手を振り、更にそれが歓声を激しくさせた。 そう、その少女こそがトリステイン国王王女、アンリエッタなのであった―― 生徒達が王女の登場により気分が高揚している中、たった一人だけが白けた目でそれを見ていた。 「あれがトリステインの王女?まだまだ子供じゃない。」 そう言ったのは後頭部に小さなたんこぶが出来ているキュルケであった。 授業でミスター・ギトーにやられたのがよっぽと応えたのか、気分が高揚しないまま参加したのだ。 そして隣では騒ぎなど気にも留めず、立つどころか座って本を読んでいるタバサがいる。 「……本当、あなたって周りの事はどうでもいいというか、相も変わらずね。」 キュルケはそんなタバサを見てポツリとそう呟くと目だけをキュルケの方へ向け…直ぐに本へと視線を戻した。 そんな友人を見てキュルケは怠そうなため息を吐くと隣にいるルイズへと視線を移す。 「ねぇヴァリエール、あなた程でも無いけどあの王女様はまだまだ子供―――ってあら?」 ルイズの顔には僅かに赤みが入っており、いつもの彼女の顔ではないことに気が付き少し言葉を詰まらせた。 キュルケは急いでルイズの視線を追うと、そこには羽帽子を被った立派なグリフォンに跨っている衛士がいたのだ。 ぼんやりとした表情のルイズとその衛士を交互に見比べると、今まで喜怠そうだったキュルケの顔から笑みが戻り始める。 そして口元を大きく三日月形に歪ませ、手で口元を隠し含み笑いをするとボソッと心の中でこう呟いた。 (もしかしたら私、ヴァリエールの一目惚れ…ひょっとしたら初恋の瞬間に立ち会っちゃったかも。) そんな歓迎ムードな学院で一つの激闘が繰り広げられている場所があった。 「おい、クロステーブルはちゃんと敷けたか!?」 「ティーポットの替えって何処にしまってあったっけ?」 厨房ではシェフや給士達が鍋や皿を相手に大格闘していた。 今回アンリエッタ王女はここで昼食と夕食を取る。その為厨房の者達はセッティング等で忙しいのである。 学院お抱えの料理人達は日頃鍛えている腕を奮って料理を作り、給士達はそれを盛りつける皿を準備する。 給士の一人であるシエスタは、純白のテーブルクロスを両手に抱え食堂の中を走っていた。 ここで働いてから月日はかなり経っていたため、しっかりとして足取りで走っていた。 ただテーブルクロスの所為で足下が見えなくなっており、その為に地面に転がっていた石ころに気づかなかった。 「ふぅっ…ふぅっ……あぁっ!」 案の定石ころにつまずいたシエスタはテーブルクロスを咄嗟に放り投げ、大理石とキスすることになった。 数秒おいてから、シエスタは小さなうめき声を上げ鼻を右手で押さえながら立ち上がる。 そしてよく考えればせっかくの綺麗になったのが台無しになってしまったと思い、ため息をついた。 「あぁ~…やっちゃったなぁ…ってあれぇ?」 そんな事をぼやきながら瞑っていた両目を開け、地面に落ちている筈のテーブルクロスが無いことに気が付いた。 一体何処かと思い、辺りを見回しているとふと後ろから声を掛けられた。 「あんたの探してる物って…これかしら?」 振り返ると、そこには頭からテーブルクロスを被った誰かがいた。 背はシエスタよりも少しだけ低めで頭から白い布を被っているとお化けのようだ。 声はまだ幼さが残っており、「少女」と言う言葉がピッタリと当てはまる。 「あっ!すいません、私ったら…。」 誰だか分からないが失礼だと思い、急いでテーブルクロスを取った。 「前を見るのは良いけど、ちゃんと足下見て走りなさいよ。」 そして…頭から被っていたのがヴァリエールに召喚された霊夢だと知った。 嫌そうな表情になっていたが、すぐにいつもの表情に戻ると彼女は辺りを見回した。 つい先程まで森の上空を飛び回っていたのだが、少し小腹がすいたため何かつまむ物は無いかと学院に戻ってきたらこの騒ぎようである。 「随分と忙しそうね、また宴会か何かでもする気?」 「あぁ、実は今日アンリエッタ王女が視察をかねてここでお食事をするんです。だから準備に追われていて…」 「アンリエッタ王女…?誰よソレ。」 シエスタの口から発せられた聞いたことのない名前に霊夢はキョトンとした顔になる。 「え、知らないんですか?この国の王女様で、とっても綺麗なお方なんです。 もし顔を見たいのなら今は学院本塔の中を見学中の筈ですから行ってみたらどうです?」 では、私はこれで。と最後に言い、シエスタはテーブルクロスを抱え廊下の奥へと走り去っていった。 (王女、ねぇ…まあどうでもいいか。別に会っても何か起こるわけでも無いし。) それより今は何か食べるものはないかと王女に全くの興味を示さない霊夢は厨房へ足を進めた。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
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前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 閉じられていた記憶の奥深くから゛何か゛が這い出てこようとしている。 それはまるで、巨大な人食いミミズが獲物を求めて出てくるように、おぞましい゛恐怖゛を伴ってやってくる。 何故こんな時にそんな事が起こるのかは知らないが、予想だにしていなかった事に彼女はその体を止めてしまう。 自分が誰なのか知らない今でさえ大変だというのに、自分の体に起った異変に彼女が最初に感じたものは二つ。 前述した゛恐怖゛と―――――手の届きようがない゛不快感゛であった。 まるで無数のテントウムシが体の中を這い回っているかのような、吐き気を催すむず痒さ。 その虫たちが、何時か自分の体を滅茶苦茶に食いつぶすのではないかという終わりのない恐怖。 脳の奥深くからせり上がってくる゛何か゛に対し、最悪とも言える二重の気持ちを抱いている。 彼女は焦った。此処が戦いの場でないなら受け入れるしかないが、今の状況だと非常に不味い。 ただでさえ自分の身が危ないというのに、一時的に戦えない体になればやられるのは絶対だ。 やめろ、思い出したくない。突然すぎる記憶の氾濫を拒絶するかのように、彼女は赤の混じる黒目を見開く。 戦いの最中である為下手に体勢を崩すどころか、自分の頭を抱える事すらできない。 自分の名前すらも知らないはずなのに、何でこんな事が起こるのか?それが全く分からない。 腰を低くし、風に拭い去られた煙の先にいた霊夢と――その傍にいたルイズという少女を見ただけだというのに… 「なぁおい…あいつ、何かおかしくないか?」 少し離れた所から聞こえる誰かの声が、必要も無いのに耳へ入ってくる。 しかし言葉自体は的中している。今の彼女は確実におかしい―――否、おかしくなり始めていた。 何も知らないはずの自分の記憶という名の海底から、得体の知れぬ゛何か゛が物凄い速度で水面から顔を出そうとしている。 それに対し何の手だても打てず、ナイフを手にしたままその場を動くことすらできない。 歯痒さと不快感だけが頭の中を掻きまわし、彼女に゛何か゛を思い出させようとしている。 もはや体勢を維持することもできず、その場に崩れ落ちてしまうのではないかという不安が脳裏を過った瞬間――― ――…貴女―…過ぎ…――…ハクレイ… 頭の中に、何処かで見知ったであろう女性の声が響き渡った。 所々で途切れているが、初めて耳にする声とは到底思えないと彼女は感じた。 ずっと昔に、ここではない場所で知り合い離れ離れになってしまった親友とも言える存在。 あるいは互いに対立し合い、決着がつかぬまま勝手に行方をくらました好敵手なのか。 二つの内どちらかが正解なのだろうが、今の彼女にとってそれはエキュー銅貨一枚や一円玉よりも価値のない事である。 しかし…謎の声が最後に呟いた単語らしき言葉は何なのだろうかと、小さな疑問を感じた。 ハクレイ…ハクレイ…何故だろう、どこかで聞いたことのある言葉だ。 今まで聞いたことは無かったが決して初耳とは思えぬ単語に対し、彼女は心の中で首を傾げてしまう。 ――――……い…抗…うとも…貴…は…人間。霊…を…る…価…い… そんな事をしている間、またも女の声が聞こえてくる。 劣化したカセットテープに収録されたかのように、何を言っているのかすら分からない。 自分の身に降りかかる異常事態に彼女は冷静になれと自分自身を叱咤する。 何か伝えたいことがあるのだろうが分からなければ意味が無いし、何より声の主は誰なのかも良く知らない。 ひょっとするとこれは単なる幻聴で、自分は疲れているだけなんだ。未だに揉めている霊夢達を見つめながら、彼女は呟く。 一体何が起こっているのか分からないが、今するべき事はとっくの昔に知っている。 それを実行に移す為、グチャグチャに混ざった頭の中を整理するために深呼吸しようとした直前… 「アッ―――――――」 今までその姿を伏せていた恐怖と不快な゛何か゛が、スルリと彼女の中に゛戻ってきた゛のだ。 何時の頃からか脳の奥底に幽閉されていたソレは、自由を取り戻した言わんばかりに彼女の脳内を駆け巡る。 恐らく深呼吸しようとして力を少し抜かしたのが原因だったのだろうか。今となっては知る由も無い。 ただ、今の時点で断定できることはたったの一つ。 彼女は喪失していた自身の゛記憶の一部゛を…恐怖と不快で構成された゛何か゛としか形容できないソレを思い出したのである。 マヌケそうな声を小さく上げた彼女には、蘇った記憶に対抗する術を持っていない。 きっと彼女以外の者たちにも言える事だろうが、一度思い出した記憶は滅多に消える事はない。 そして、ここへ来てから最も嫌悪感を感じたそれ等が力を持ったのか、彼女の瞳に映る光景を塗り替えていく。 丁寧に描いた風景画を塗りつぶすようにして幾筋もの赤い光線が周囲を駆け巡り、古ぼけた旧市街地を染め上げていく。 彼女の目に映るソレはワインのような上品さなど見えず、ただ鉄の様な重々しさが乱暴に混ぜ込まれている。 この赤には情熱や闘志といった前向きな要素は無い。あるのは暴力的で生々しい陰惨な雰囲気だけが入っていた。 病気に苦しむ老人たちの集会場であった廃墟群が、そんな色であっという間に覆い隠されてしまう。 突如目の前の景色が変わってゆく事に対し、彼女は尚も動けずにいた。 いや、動こうとは思っていたが体がいう事を聞かず、あまつさえ先程まで何ともなかった眼球すら微動だにしない。 まるで拷問用の特殊な椅子に座らされたかのように、不可視の何かに体を縛られ見たくも無いモノを見せられている。 (な…何が始まろうとしているの…?) ナイフを手にしながらもそれをただ握りしめる事しかできない彼女は、唯一自由である心の中でそう思う。 そんな事をしている間にも目に映る世界は息つく暇もなく変化していく。 地平線の彼方へと沈もうとした太陽の姿がいつの間にか消えており、空が明かりを失っていた。 太古から夜空の明かりを務めてきた双月は未だその姿を出しておらず、代わりに見えるのはどこまでも広がる黒い闇。 地上の赤と決別するかのようにハッキリとしたその闇からは、ただただ不気味さだけが伝わってくる。 一体どれだけの黒いペンキを垂れ流せば、今の彼女が見ているほどの闇を表現できるのだろうか。 まぁ、深淵のように最果てすら見えぬ闇をペンキなどで再現する事は限りなく不可能であろう。 何故なら、この闇を見ている唯一の存在は目も体も動かぬ彼女だけなのだから。 そして彼女自身誰かに命令されようとも、この光景を再現する気はこれぽっちも無かった。 (一体何が起こっているの…?) 儚い黄昏時から怖ろしい程に単調な赤と黒へと変わりゆく世界の中で、彼女は一人戸惑う。 最も、普通のヒトならとっくの昔に錯乱していてもおかしくはないが。 とにかく今になって遅すぎる戸惑いを抱き始めた彼女には、この事態に対し打てる手など皆無に等しかった。 ―――……聞くけど…どう…して貴……と一緒に普通の……生を……ると…ったのか…ら? そんな彼女に追い討ちを掛けるかの如く、再び頭の中に女性の声が響く。 別にこれといった痛みも感じず、囁きかけるようにして自分に何かを離したがろうとする謎の――――…いや。 (違う…私は知っている、この声の持ち主は゛誰゛なのかを) そんな時であった。石の様に体が固まった彼女がそう思ったのは。 先程頭の中に入り込んだ記憶が何かを思い出させたのか、それとは別の原因があるのかは知らない。 ただ彼女にとって、声の゛主゛が自分にとって軽んじる程度の存在ではないと瞬時に理解していた。 ――――所…詮貴女は…の巫女。…この娘を立派な…に育て上げる事こそ…が今の貴女の… 再び聞こえてくる声は、最初の時と比べある程度聞き取りやすくなっていた。 しかし、ノイズ混じりのソレが鮮明になってゆくにつれて、彼女の脳内で再び゛何か゛が浮かび上がる。 まるで海底を泳いでいた人間が呼吸をする為に水面目指して泳ぐように、それはあまりにも急であった。 ただ、最初に感じた゛何か゛とは違い、それからは恐怖とかそういうモノは感じられない。 むしろその゛何か゛は、今の彼女のとってある種の救いを提供しに来たのである。 ―――――その娘は…逸材だというのに……普通の人と同じ…人生を歩ませ…なんて、宝……持…腐れ…… 赤と黒の世界に佇む彼女は、尚も頭の中で響く声にある感情を見せ始める。 それはおおよそ―――例え声だけだとしても、他人に向ける代物とは思えないどす黒い色をした感情。 ゲルマニアにある工業廃水と同じような色をしたソレを声だけの相手に浮かべる理由を、彼女は持っていた。 そう。最初に自分の頭の中を混乱に陥れようとしたソレとは違う、二度目の゛何か゛が教えてくれたのだ。 ゛全ての原因は、オマエの頭の中に響き渡る声の主にあるのだ―――゛…と。 自分の身に何が起こっているのかという事に関して、彼女が最初から知っている事は何一つ無い。 彼女はただ自身が誰なのかも知らず、自分自身に戸惑いながらここまで生き延びた。 気づけば森の中を何に追われ、小さな少女に介抱されたと思いきや、その子を抱えてまた逃げて… そうこうしている内に人気の多い場所へと足を踏み入れたと彼女は、自分とよく似た姿をした少女と遭遇した。 自分よりも感情的で、猫の様に一度掴めば狂ったように手足を振り回す彼女の名前は――――霊夢。 何故自分が;霊夢の名前を知っていて、瓜二つの姿をしているという事は勿論知らない。 最初に出会った時は明確な怒りをもって霊夢を殺そうとしていたが、今はもうその気にならない たが今になって自分がとんでもない勘違いをしていた事に、彼女は気づいていた。 自分の中に渦巻く怒りが「殺せ」と叫んでいたのは、霊夢の事ではなかったという事に。 名前も知らず、何処で生まれ、今まで何をしてきたのかも知れない彼女はその足を動かす。 先程まで地面と空気に縛られていた足がすんなりと動き、未だ口論を続ける霊夢とルイズへ突撃する。 そのついでに使う必要のないナイフを捨て、空いた右手で拳を作った彼女は、自分が倒すべき゛紫の色の影゛を見据える。 今まで見える事のなかったソレは、記憶の一部を取り戻した事により今ではハッキリと見える。 実体すら定かではないその゛存在゛は寄り添うようにして霊夢に纏わりつき、べったりと寄り添っている。 まるでその体に貼りついて生気を吸い取らんとしているかのように、ゆっくりと蠢いたりもしていた。 不思議とそれを目にすると何故か無性に腹立たしくなり、誰かを殴り倒したくなる程度の怒りも込み上げてくる。 自身の怒りが殺せと連呼していたのは、霊夢の事ではない。 彼女は今にして思い出した――――殺すべきなのは、霊夢の後ろに纏わりつくあの゛影゛だという事に。 さっきまで体に纏わせていた゛曖昧な殺意゛が゛明確な殺意゛に変異し、それを合図に彼女は霊夢に殴り掛かった。 否…正確には彼女―――――偽レイムだけにしか見える事のない゛紫色の影゛へと。 ◆ その攻撃は、場違いな口論をしていた二人にとって不意打ち過ぎた代物であった。 最も、ケンカすることを控えて警戒していれば回避できたという事は、言うまでもないが。 「っ…!?―――――――ワッ…!!」 やや泥沼化の様相を見えさせていたルイズとの会話の最中、偽レイムの方から濃厚な殺気が漂ってきた。 咄嗟にその方へと顔を向けた霊夢は、驚愕しつつも寸での所で相手の攻撃を回避する事ができたのである。 瞬間的に体を際メイル程後ろへずらした直後…相手の右拳が視界の右端から入り、左端へと消えていく。 「ちょっ――キャアッ!」 霊夢の隣にいたルイズは回避こそできなかったものの、偽レイムの攻撃を喰らう事は無かった。 その代わり、突撃してきた偽レイムにひるんでしまったのかその場で盛大な尻餅をついてしまう。 一方の偽レイムはそんなルイズに目もくれず、自分の一撃を回避した霊夢を睨んでいる。 霊夢と同じ赤みがかった黒い瞳は光り続け、それどころか先程と比べその輝きを一層増している。 まるでその目に映る相手が親の仇と言わんばかりに、彼女の両目を光り続けていた。 「人が話し合ってる最中に攻撃なんてね…私はそんな常識知らずじゃないんだけど?」 三メイル程度後ろへ下がった霊夢は、振りかぶった姿勢のままで停止した偽レイムの右手を一瞥する。 殺人的と言える速度を出したその拳に、既に汗で濡れている彼女の背筋に冷たい何かが走る。 それと同時に、偽レイムの体に纏わりついている気配が先程までのモノとは違う事に気づく。 最初に出会った時は、激昂していた霊夢とは違いやけに冷静な怒りに包まれていた彼女の偽者。 ところが、ルイズと口論した後のヤツは冷静さこそ失われてはいないものの、その怒りにハッキリとした゛殺意゛が含まれている。 まるで興奮していた切り裂き魔が、時間経過と共に落ち着きを取り戻し体勢を整えたかのように。 先程までの戦いやルイズに手を出そうとした時とは違い、今度はしっかりと自分の命だけを狙って殴り掛かってきた。 (何よコイツ…本気出すなら最初から出してきなさいっての) 今までとは打って変わって攻撃してくる偽者に毒づきつつ、本物は先程の攻撃を手短に分析する。 突然の奇襲となった相手の拳は結界を纏っていなかったものの、その威力事態は凄まじいのだとわかる。 もしも回避が一秒でも遅れていたら…と事すら考える暇もなく、霊夢はすぐに戦闘態勢を整える。 相手が襲ってきたのなら対応するしかないし、もとよりこの場で退治するつもりであったのだ。 (まぁ…色々とイレギュラーな存在が紛れ込んじゃったけど、今は目の前の敵に集中しないと駄目よね) 気持ちを瞬時に一新させた彼女は左手にもったナイフを握り締め、目の前にいる偽レイムと対峙する。 しかしその直後、襲ってくる直前まで隣にいたルイズか゛今どこにいるのか゛を知り、咄嗟の舌打ちが出てしまう。 (こういう時に限って、あぁいう邪魔なのがいるのはどうしてなのかしら…!) 今日は本当にツイてない。自分の身やその周りで起こる色々な出来事全てが悪い方向へ向いてしまう。 下手に動けばルイズが死ぬかもしれないという状況の中で、霊夢は動き出せずにいた。 一方尻餅をついてその場を動けないルイズは、目の前にいる偽レイムを見上げていた。 鳶色の瞳を見開かせた両の目には確かな恐怖が滲み出ており、僅かだが体も震え始めている。 魔理沙の首を絞め、霊夢が介入しなければ自分を絞殺していた存在がすぐ傍にいるのだ。恐怖しない方がおかしい。 先程までは強気になって魔法を放てたものの、今の状況では呪文を唱えるより相手が自分の頭を殴り飛ばす方が圧倒的に速い。 魔法に詳しい故に長所と短所も知っているルイズだからこそ、その手に持ったままの杖を振り上げる勇気が無かった。 「あ…あ…あぁ…」 ジワジワと心を侵していく緊張と恐怖のあまりに大きな声を出せず、ガラスで黒板を引っ掻いたような掠れ声だけが喉から出る。 本当なら今すぐにでも叫び声を上げて逃げ出したい――そう思いつつも彼女の体は動こうとしない。 彼女にとって突然過ぎた敵の攻撃と、今すぐ殺されるのではないかという恐怖という名の縄に締め付けられている。 しかしそれ以上に、胸中に刻み込まれた一つの言葉が今の彼女をこの場に押し留めていた。 脳内に響くそれを発言した者は、ここへ至る道中にルイズと魔理沙を止めようとした八雲紫である。 ―――――――――もし今後も怯えるだけなら、霊夢の傍につくような事はやめなさいな 相手を諭すように見せかけ、挑発とも言える人外の声は先程までのルイズに投げかけた一種の挑戦状。 霊夢を召喚した結果に起った異変を解決するにあたり、紫は今までの彼女では足手纏いと判断したのだ。 学院から離れた森の中でキメラに襲われた際、ルイズは戦うどころか杖を構えることなく臆している。 偉そうな事を言いつつも、いざとなれば年相応の子供となり、怯える事しかできない彼女の姿は大妖怪の目にはどんな風に見えたのだろう。 ともかくそれを「ドコで」見ていたのかは知らないが、霊夢にも感知できない「ドコか」で見て、その結論に至ったのかもしれない。 その言葉には、幻想郷で起きた異変を解決する為にも、今のところ必要なルイズの身にもしもの事が起きない為に、という配慮も見え隠れしている。 しかしルイズは、自分がこれ以上に霊夢達に守られるという事はなるべく避けたかったかったのである。 キッカケだけとはいえ、霊夢を召喚してしまった自分も原因の一端である事に間違いない異世界の危機。 ハルケギニアより小さいとはいえ、下手すれば返しきれない借りがある彼女達の居場所を奪ってしまうかもしれないのだ。 もはや戦いを傍観する側ではない。あの妖怪の前で宣言したルイズはなんとか勇気を振り絞って立ち上がろうとする。 (私だって…戦えるのよ!私を助けてくれたレイムやマリサみたいに) 紫の声が幻聴となって聞こえるなか、自らの恐怖と戦い始めたルイズは知らない。 時と場合によっては、その勇気が取り返しのつかない危機を生み出す原因なってしまう事を。 そして…戦いの場において恐怖に対し素直になるという選択肢も――――決して悪くないという事も。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
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小ネタ 朝、ルイズがいつも通りの時刻に起床すると、彼女の使い魔達はすでにいなくなっていた。 起きて食堂に向かったようだ。 ルイズも着替えを終えるとすぐに食堂へ向かう。 その途中、とてもいい匂いがしていたので厨房を覗いてみる。 「シエスタ、アンタなかなか上手いやないか」 「昔、ひいおじいちゃんに教えてもらったのですよ」 「あとはこれを蒸せばいいのか?」 「そうアルね」 厨房ではシエスタやマルトー達が巨大な返しを持った女性とチャイナ服の女性とお好み焼きや中華料理を作っていた。 ルイズは今日の食事も期待できるとわかると自分の席へ向かった。 席へ座ると、遠くでギーシュが決闘を申し込んでいるのが見えた。 「君達に貴族に対しての礼儀を教えてあげよう」 「てめえ!よくも俺を女と間違えやがったな!覚悟しやがれ!」 「俺を男なんかと間違えやがって!俺は女だ!」 「美しき女性達の心を傷つけるとは許せん!たたっ斬ってやる!」 「二股をするとはけしからん!この風林館高校の蒼い雷が成敗してやる!」 「かごめに手を出しやがって!ぶっ殺してやる!」 「He Boy!その髪の色は校則違反デース!丸坊主にしなサーイ!」 赤いチャイナ服の青年と、背中に男と書かれた男子学生服を着た男装の女性と、刀を持った白い学ランの青年と、木刀を持った青い和風の青年と、巨大な刀を持った犬耳の火鼠の皮衣を着た青年と、頭に椰子の木を生やしたアフロ服の男性がギーシュを睨みつけながら騒いでいる。 「ほらかごめ、アンタの彼氏とその仲間達がまた暴れてるわよ」 「茜、何回も言ってるけどあいつは彼氏じゃないし、あいつらも仲間じゃないわよ」 「そうそう、姉ちゃんの彼氏は僕やで」 ルイズの隣で、水兵服を着た女性二人と鬼族の子供がその様子を眺めていた。 「えー、ヴァリエール嬢美女使い魔達の写真集はいかがですかー?」 「ミス・ナビキ、一冊購入させてくれ」 「あらギトー先生、いつもご購入ありがとうございます」 「お、大きい声で言うのではない!」 食堂の隅ではギトー先生が召喚された女性達の写真集を購入している。 「王手」 「ま、待ってくださいミスタ・テンドウ!」 「パフォ」 「このパンダの言う通り待ったはなしだよ」 別の机で将棋をしていたコルベール先生に、パンダが「待ったなし」と書かれた看板を向ける。 その様子をとあるアパートに暮らしていた住人が観戦している。 「……あったかい」 「ゴロゴロゴロ」 「お茶が入りましたよ」 「ありがとうございます。ミス・カスミ」 「いえいえ」 別の一角ではエプロン姿の女性がタバサと巨大な猫が暖まっているコタツにお茶を持って来ていた。 「いくぜキュルケ!」 「来なさい!」 「きゅいきゅいきゅーい!」 外ではキュルケがシルフィードを借りて最小限の部分しか守れそうにない鎧を着た女性と大豆を発射する銃で戦っている。 「ルイズ、ダーリン見なかったちゃか?」 そんな周りの様子を眺めていると、鬼族の女性がルイズに質問を投げ掛けてきた。 「ダーリン?あいつなら洗濯所にいたわよ」 それを聞くと鬼族の女性は虎柄のブラから何かの機械を取り出し、スイッチを押す。 機械の画面に異常に小さい爺さんとオスマン氏と法師姿の青年と特に特徴のない青年が映しだされた。 『よいか三人とも。この修業はいかに素早く、発見されずにパンティを盗れるかがポイントじゃ!』 『『『はいお師匠様!』』』 鬼族の女性はすぐに空を飛んで洗濯所へ向かった。 数分後にはライトニングクラウド以上の電撃音と悲鳴が聞こえてくるだろう。 そんな使い魔達の様子を眺めつつ、ルイズは一言呟いた。 「ダメだこりゃ」 「これがお主のさだめじゃ」 「こら叔父上、出番がないからって最後に出てくるのではない」